春休みを利用して孫娘が泊まりに来た。
彼女は、小学生。
いつも笑顔のやさしい子で活発。
通っているスイミングでは、選手資格を得たようで
今の私ならスピードも距離も負けるだろう。
若い頃は、自信があったものの、あと1ヶ月と少しで70歳。
どうあがいても老体である。
水泳を続けているならまだしも、
1日おきのジョギングがでは、泳力は過去のもの。
孫娘は、バドミントンが好きで遊びに来るとかならずお相手。
この3日間は、そのほかにテニス、フリスビー、
私が手作りのソフトゴルフ、ローラーボード、水風船の投げっこ。
余裕シャクシャクの彼女が「え~もうおしまいなの~」
結構頑張ったつもりだが、あの子の体力には叶わない。
毎日ふたりだけでの外食。
孫娘が好きな肉食オンリー。
ステーキに、とんかつに、焼き鳥・・・
おこづかいも渡して、彼女には、天国の3日間だったに違いない。
笑顔で帰っていった。
私がもらったものは、彼女の笑顔。
これが一番嬉しい。
人間、トゲが取れて、丸くなってくると
たとえ他人であっても素直にその笑顔がうれしいものだ。
孫娘ならなおさら。
彼女と遊んだ我が家の庭。
孫娘の笑顔に溺れているうちに、息子が小学生の頃、、、
30年ほどの過去に飛んだ。
息子の横に座った白い飼い犬の表情がゆるんでいた。
庭でキャッチボールができるような家が欲しいなぁ・・・
それがかなった瞬間だ。
犬に視線を奪われたからか、ボールが犬めがけて飛んでいった。
「ギャン!」
「あ~~かわいそうに!」
私への怒りと、犬への気がかりが入り混じった複雑な表情の息子。
小学校高学年の息子の表情がよみがえった。
そこから30年後の今、「おい!たまには、キャッチボールでもやるか」
と息子の部屋の窓を眺めたものの...
あいつ、俺より先に天国へ行きやがった。