息子が天国へ行った。
4月3日が三回忌。
亡くなって丸2年が三回忌というらしいが、無宗教の我が家は、宗教的なしきたりや風習などどうでもいいこと。
ただ、奴がいなくなった日は毎年家族が集まる。
みんなの都合を考えて集まるのは、明日1日日曜日。
またみんなで泣く日だ。
もちろんお坊さんなど呼ばない。
子を亡くした親は、毎日があの日。
何年たっても時が心を癒すなど、嘘っぱち。
何も知らない世間は、適当なことを言うもんだ。
子を亡くした親の心の痛みを知らないから言える言葉。
ショックの大きさはあの日のまま。
我が夫婦の時は、あの日で止まった。
2年経過した今も、あの日の、あの瞬間のまま。
この思いは、生涯続くであろう。
友人は、何も言わないのに息子が旅立った日を覚えていてくれて
毎年花を届けてくれる。
今日も外出中に豪華な胡蝶蘭が届いたらしく妻がすぐに電話でお礼を告げた。
電話に出たのは、私より一つ年下64歳の友人であり、
私のかかりつけの医師でもある。
電話の向こうでその友人は号泣だったとか。
妻と二人が受話器を持ったまま泣き崩れたらしい。
息子が旅立ったあの日も診療中の病院をたたんで婦長と一緒に駆けつけてくれた。
息子の横でうなだれる私のもとに飛び込んで来ると、
私にしがみついて大声で泣いてくれた。
そんなことをしてくれる友人は、この人だけ。
2年が過ぎた今日も、また号泣してくれたのは、
親の深い悲しみを理解しているからであろう。
友というのは、ありがたい。
あの野郎、先に逝きやがって・・・